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受験対策から仕事力まで!大人に必要な考える力「思考力」の鍛え方

思考力は現代社会に必須

2020年度から、いままでのセンター試験に代わって大学入学共通テストが導入されます。これは、単なる入試制度の改革ではなく、「高大接続改革」という高校教育から大学教育全体を含めた教育のあり方の改革の一環です。

変化が予想できない現代社会には、既成の形にとらわれず柔軟な思考で問題解決できる人材が求められ、その養成が早急の課題です。高大接続改革の根本的な狙いもそこにあります。

今回は、これから大人になる子どもたちに必須と言われる「思考力」についてその必要性と鍛え方を解説します。

考える力・思考力は現代社会を生き抜くために必須の力

文部科学大臣の諮問機関中央教育審議会では、アメリカの大学教授の予測も紹介しつつ、将来には社会や職業が予想もできないほど変わっている可能性がある、と警告しています。[注1]

中央教育審議会は、「高大接続改革」における学力の3要素として「基礎的な知識・技能」「思考力・判断力・表現力等の能力」「主体性・多様性・協働性」を挙げています。これからの社会で求められるのは、「積極的、主体的に仲間と問題を解決していける」人材であることがわかります。

[注1]文部科学省:新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた 高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について ~すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために~のポイント
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/106/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/03/25/1356067_01.pdf#page=0001

思考力は問題を解決する能力

思考力といえば、哲学者のように理論を組み立てて難しい命題を解いていくイメージがあるかもしれませんが、思考力には明確な定義があるわけではありません。ですが、「思考」とは毎日直面する具体的な問題を解決していくためにだれでも日常的に行っている作業を指します。「今晩何を食べようか?」「週末にはどこに行こうか?」と考えることも思考なのです。

そして、問題解決に必要なのは「筋道立てて考える」ことと「物事をいろいろな側面から捉える」ことです。この2つの能力を無意識のうちに駆使して、私たちは日常のさまざまな場面で思考しているのです。

実は数学にも必要な「筋道立てて考える」思考力

大学受験で思考力を見る課題としては、小論文などの論述問題を思い浮かべる方も多いことでしょう。ところが、一見、公式を使えば解答できそうに思える数学こそ、思考力が必要な科目です。センター試験では解答の正否しか判断されませんが、大学入学共通テストや各大学独自試験では数学でも証明問題のような論述問題が出題されます。

数学の証明問題は、筋道立てて考える思考力を見る格好の場です。時間切れで正答に辿りつけなかったとしても、途中までの考え方が正しければ部分点がもらえる可能性が高いでしょう。また、出題者がまったく想定していなかった解答法でも、論理的に筋が通っていれば点数が与えられることもあります。大学が見たいのは、受験生に「筋道立てて考える」力があるかどうかなのです。

元々数学は論理学という「物事を筋道立てて考える方法」を具体化した学問です。数学の定理や公式は全て数学者による思考力の産物。数学は思考力の重要な側面である「筋道立てて考えること」を、無駄を省いてわかりやすく学ぶ学科といえます。

クリエイティブな思考力はさまざまな角度から物事を捉える経験から身につく

思考力は、進化の過程で、弱い人間が身につけてきた生き残るための能力ともいえます。問題を解決するときに、筋道立てて考えるだけでなく、ひらめきのようなアイディアが思いつくことがあります。一見関係ないようなことが問題解決の糸口になることも少なくありません。

それは、いままでの経験の中で積み重ねてきた多面的、多層的なものの見方が瞬時に結びついた結果です。「筋道を立てた考え方」だけではいわゆるクリエイティブな発想は生まれません。思考力を育てるためにはさまざまな角度から物事を捉える経験の積み重ねが必要です。

思考力がない人にはどんな特徴があるか

思考力がない人は…

すでに述べたとおり、思考とは毎日直面する具体的な問題を解決していく、だれもが日常的に行っている作業です。ところが、思考力がない人には「筋道立てて考えること」や「物事をいろいろな側面から捉える」経験が少なく、以下のような特徴がみられます。

課題の意味を考えず言われたことしかできない

課題(言われたこと)の問われた意味を考えないので、必要最小限のことしかしません。気が利かないと言われますが、考えながら動かないので、それしかできないのです。

失敗の原因を考えず同じミスを繰り返す

過去の失敗の原因を考えないので、同じミスを繰り返します。

決められない・決めることに時間がかかる

優柔不断で、多角的に比較して、総合的にどちらを取るべきか決められません。決めるとしても、普段から意識的に考える習慣がないので時間がかかります。

自分の好みがわからない

自分が何をしたいか、何がほしいのかがよくわかりません。考える習慣がないと、目的意識がはっきりしないので、自分の好みも即断できないのです。

失敗を恐れて自分から行動できない

以上のような特徴から、思考力のない人は失敗を繰り返したり、他人よりも損をしたり、叱られて嫌な思いをしがちです。そのため、自発的に行動する意欲が低くなってしまいます。

このような傾向のある人は身の回りに思い当たるかも知れませんし、自分もそうかもしれないと思う場合もあるでしょう。とくにお子様にこの傾向が思い当たるとお母様も心配です。ただし、発達障害やPTSDのために上記のような「思考力のない人の特徴」を示してしまうケースもあります。「思考力のない人はだめな人」と決めつけずに、個々のケースに応じて判断し、適切な方法で「思考力を鍛える」ことが必要です。

子どものうちから始める!思考力を鍛えるためのトレーニング

思考力・考える力は、さまざまな手段を使っていつからでも鍛えることが可能です。思考力を鍛えるのに遅すぎることはなく、お年寄りになっても思考力を鍛え続けることは可能です。しかし、子どものうちに思考力を鍛えるためのトレーニングを開始すれば、お子様の個性が伸び、将来の可能性が格段に広がるでしょう。

「なぜ?」を一緒に考え調べる方法を教える

子どもは2歳を過ぎて話せるようになると、「なぜ?どうして?」と大人を質問攻めにして困らせる時期があります。お子様の質問攻めに答えているうちに、お母様も「なぜだろう?」と思う場面に出会うかもしれません。そんなときには一緒に調べて問題解決をする経験をさせてあげましょう。

小学生以上のお子様では、インターネットや図書館での情報検索の方法を教えることも大切です。大人が答えを用意するのではなく、自分で予想をつけて調べる繰り返しで、より早く正しい答えを見つけられるようになるでしょう。

一方、「なぜ?どうして?」の質問をされたときに相手にしなかったり、いい加減な対応をしてしまったりすると、お子様が考える意欲をなくしてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

同時進行的で複雑な作業である家事のお手伝いを積極的に頼む

お掃除、お片付け、洗濯物たたみ、簡単な調理など、年齢と能力に合わせたお手伝いを頼みましょう。家事は同時進行的で複雑な作業です。慣れてきたら、手順や段取りの工夫を任せてみると、思考力のトレーニングになります。

お手伝いを頼むときには、語りかけがポイントです。例えば、食事の後の食器を洗うときに順番を考えるのはなぜかお子様に聞いてみるのもよいかもしれません。汚れの落ちやすいものを先に下げる、ご飯茶碗などはお湯につけておくなど、工夫の理由がわかるでしょう。お手伝いには思考力を鍛えるチャンスがたくさんあるのです。

楽しみながらできる!「脳トレ」系のゲームアプリを活用してみる

昨今、良質な無料の脳トレ系ゲームアプリがどんどん開発されています。脳トレ系と呼ばれるゲームは、思考力を鍛えるゲームとして開発されたものです。なかには1日に挑戦できる時間は9分だけという制限のあるゲームも。短時間で思考力を最大限に試す問題が多数用意されていて、子どもから大人までレベルに合わせて楽しめます。

アナログのボードゲームは昔から考える力がはぐくまれると言われていましたが、プロ将棋の対局を見てもわかるように、時間がかかるのが難点です。ところが、こうした脳トレ系のゲームは短時間でも遊べます。また、データを共有することで家族や友人と点数を競うことも可能です。

かつては「ゲームをしすぎると頭が悪くなる」と言われた時代もありますが、現在では、このような思考力を鍛えるために開発されたゲームもたくさんあります。ゲームにはお子様が飽きずに楽しめる工夫が沢山凝らされていますから、上手に活用してみましょう。

お子様への語りかけや読み聞かせを行う

言葉が話せないうちから、語りかけや読み聞かせなどを行うことで、思考力の芽をはぐくむことができるでしょう。

思考力・考える力を毎日のちょっとした工夫で鍛える方法

上記に挙げたゲームや、思考力を鍛えるワークブックなどを利用して思考力を鍛えることも一つの方法ですが、毎日のちょっとした工夫でも、思考力や考える力を鍛えることは可能です。以下にその方法をまとめました。

「筋道を立てて考える」訓練として活字に触れる

文章にはその文章をかいた人の「言いたいこと」があるはずです。逆に、ある目的をもって文章を読む人は、自分の「知りたいこと」を探すためにその文章の「言いたいこと」を確かめようとします。この作業は、「AだからBになる」とともに、「BなのはAだから」という2つの思考方法を無意識に繰り返します。そのため、「筋道を立てて考える」訓練として非常に役立つでしょう。

社会情勢に興味をもつようにする

社会情勢に興味をもつことは思考力を鍛える格好の手段です。まず、世界の国々や日本の歴史的背景についての知識が身につきます。同時に、さまざまな立場の人への影響や将来への影響を考えるなど、多角的に物事を見たり考えたりする習慣ができるでしょう。

複数の仕事を同時進行させるスケジュールを組む

詳しい時間表を作る必要はありませんが、今週はAとBを完成させようというようなラフな計画を立てます。このとき、Aが終わった後にBにとりかかるのではなく、AとBを同時進行させるようにしましょう。自然に全体を見渡しながら仕事を進めるクセがつき、多重的多層的な時間軸で物事を思考する訓練になります。

いろいろな人と話しさまざまな意見や考え方を知る経験を重ねる

好きなことや好きな芸能人の話しなど、当たりさわりのない範囲で人と話してみましょう。「なぜそれが好きなのか」自分で説明できるでしょうか。また、相手の話しを聞いて納得できるでしょうか。感情的にならずに客観的に話したり聞いたりして、いろいろな人の意見や考え方を知る経験を重ねると、思考力が鍛えられます。

今後求められる思考力はちょっとした工夫で鍛えられる

2020年度からの大学入学共通テスト導入に代表される教育改革の真の狙いは、鍛えられた思考力をもつ社会人を養成することです。そのため、大学入試の内容は「考力を試すものになるでしょう。ですが、思考力は日常生活のなかでのちょっとした工夫で、年齢に関係なく鍛えることが可能です。脳トレゲームなどを上手に取り入れて、楽しみながら思考力を鍛えたいものですね。

ご入会までの流れ