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子どもの「絵心」を育てるために親ができることとは?

子どもの絵の発達段階

小さい子どもはお絵かきが大好きです。画用紙やお絵かき帖、さらには広告チラシの白紙の面など、自由に絵をかけるスペースを見つけると、鉛筆やクレヨンでさまざまな絵を描きます。お子様のいる方であれば、何度もその光景を目にされていることでしょう。

実は、子どもの心身の発達と絵の上達過程には、深い関係があります。そのため、子どもが絵を描いているときに親が適切な関わり方をしてあげれば、本人の絵心を育て、表現力や想像力の成長を促すこともできるのです。

では、子どもの絵心を伸ばすために、親としてどのような接し方をすればよいのでしょうか。以下では、絵心と子どもの発達との関係や子どもが絵を描いているときの関わり方、声かけの仕方について解説します。

絵を描くことに無意識な親が多いが実は発達に大いに役立つ

時間さえあれば、熱心に何かの絵を描いているという子どもは少なくありません。そんなときに、落書きを書いて遊んでいるだけだと思い、描いているものの内容に興味をもたない親は意外と多いものです。

しかし実際には、子どもの描く絵の内容と子どもの知能や精神的な発達は深く関わっています。

米国ペンシルバニア州立大学の教授だったローエンフェルド氏は、自身の研究を通して、個人差はあるものの子どもが描く絵の発達過程は万国共通であることを明らかにしました。[注1]

つまり、子どもの間で絵の良し悪しに極端な差が出ることは少なく、どの子どもも同様の発達過程で成長していくというわけです。絵心が上達することは、年齢相応に心身が成長していることを示す指標になる、ともいえるでしょう。

絵の発達段階を以下で具体的に紹介します。

1~2歳頃:描くこと自体が楽しい「擦画(さつが)期」

子どもは1~2歳頃から絵を描くようになりますが、この時期は「擦画期」と呼ばれ、クレヨンやマジックで紙に線や色を描けることが楽しくてたまらないという段階です。ただ、この行為を通して、子どもは自分の行動の意味を理解する力を身に付けていきます。親は子どもが絵を描くのを禁止したりせず、見守ってあげることが大切です。

1歳6か月~3歳頃:形を描けるようになる「錯画(さくが)期」

1歳6か月~3歳頃になると、意思のある線や円形など明確な形を描ける「錯画期」に入ります。親から見るとまだまだなぐり書きにしか見えませんが、この時期に思う存分描いているとお絵かきの好きな子どもになるといわれています。

3~4歳頃:描いた絵に名前をつける「象徴期」

3~4歳頃になると、自分で描いたものに対してりんごやママなど名前をつける「象徴期」に入ります。本物とは異なる形をしていることがほとんどですが、子どもとのコミュニケーションが楽しくなってくる時期です。

3~5歳頃:自分の知っているものの形を描く「カタログ期」

3~5歳頃には自分の知っているものの形を描く「カタログ期」に入ります。

カタログ期に入ると知的欲求や思考力、記憶力が発達していき、理解できる言葉も増えてきます。この時期に親が子どもの絵の内容にどれだけ関心、共感をもってあげるかが、本人の絵心の上達、さらには心身の成長度合いに大きく影響してきます。

5~6歳頃:空間認識が生まれる「図式前期」

5~6歳頃になると空間認識能力が生まれます。この時期になると、地面などのベースラインが生まれ、家や木など描かれるものが適切に配置されるようになります。ただし、まだ写実画というよりも自分を中心として見た絵が中心になります。

7歳頃:写実の能力が身につく「図式後期」

7歳頃には立体的な表現もできるようになってきます。

この頃になってやっと目で見たものを描く写実の能力が身についてきますが、これより前の段階で見たとおりに描くよう強制しても、子どもはうまく対応できずにストレスがたまり、絵を嫌いになる恐れがあるので注意しましょう。絵心をはぐくむのであれば、発達段階に合わせた接し方をすることが大事です。

絵を描いている子どもに親が関わりすぎるのも放置しすぎるのもNG

絵を描く子どもへの関わり方

子どもの絵の描き方と心身の発達には密接な関係があるとはいえ、子どもの成長を促すあまり、親が子どもの絵に過度に関与するのはよくありません。一方で、子どもの好きなままにさせて放置し過ぎることも避ける必要があり、絵を描いている子どもには適切に接することが望まれます。

絵を描いている子どもに親が干渉しすぎると絵が嫌いになる

先に述べたとおり、子どもの絵心の発達段階は子どもの心身の成長段階と重なっています。そのため、少しでも絵心を伸ばし、ほかの子よりも早く成長させたいと親があれこれ手ほどきをしても、子ども自身の心身の発達が追い付いていないと、親のアドバイスを理解できないことが多いです。それどころか、親の助言にストレスを感じて絵を描くことを嫌うようになり、絵心を通した心身の成長を阻害する恐れもあります。

もし絵を教えるなら、本人の成長段階に合わせて行うようにし、過度に関与して本人にいらぬ緊張感を与えることを避けるようにしましょう。

子どもが絵を描いているのを放置し過ぎると自己肯定感が育たない

子どもは自身の成長段階に合った絵を楽しみながら描いています。大人の目から見れば決して上手とはいえないことも多く、子どもが描く絵にまったく関心を示さない親も少なくありません。

しかし親がこのような態度をとり続けると、子どもは自分の描いた絵がほめられるという経験をもてず、自己肯定感をはぐくむことが難しくなるでしょう。親が子どもの絵に関心をもってほめてあげる、共感をもってあげることは、子どもが絵を楽しみ、絵心を育てるうえで非常に大切なことです。

絵を描いているときにベストな声かけと環境づくり

親が子どもの描く絵に過度に関与せず、さらに放置もしないという態度をとる上で大事なのは、子どもに適切な声かけをしてあげることです。さらに絵を楽しめるように励ましてあげると、子どもは絵を描くことが好きになり、絵心を伸ばすことを通して心身の成長を促すこともできるでしょう。

また、子どもが集中して絵を描きやすいように、環境を整えてあげることも大事です。

子どもが絵を描いているときは具体的にほめる

親が子どもの絵に対してかける言葉として重要なのは、ほめて本人に自信をつけさせることです。絵に自信をもてればさらに絵が好きになり、うまくなろうとする意欲も向上します。

ただし、ほめ方がポイントです。うまくかけたね、よく描けているよなど、抽象的であいまいな表現を繰り返していたら、子どもは親が自分の絵を真剣に見てくれていないと感じとり、絵を描く意欲を失いやすいです。

どこがどのようにうまく描けているのか、この絵のどこがよいのかを具体的にいってあげると、子どもは親が自分のことを気にかけてくれていると実感し、意欲的に絵を描こうとします。

何を描こうか迷っているときは描いてほしいものを伝える

また、よく親は子どもに対して自由に描いていい、好きに描いていい、ということが多いですが、実はこれもよくありません。子どもは大人がもっているような「常識」をまだ身に付けていないので、常識にとらわれずに自由に描いてといわれても、実は何をどうすればよいのかわからないのです。

状況によっては、親は自分の相手をするのが面倒なのではないかと考えてしまう恐れもあります。もし子どもが何を描けばよいか迷っているときは、描いてほしいものや形をいってあげましょう。

絵を描き始めたら集中できる環境を整えてあげる

子どもが絵を描き始めたとしても、親がとなりでテレビを見ていたら子どもは絵に集中できません。テレビを消したり、集中して取り組める子ども部屋に行ったりして、絵に集中できるよう促しましょう。その際、親もそばに居てあげることが大切です。

また、気軽に絵を描けるように、色鉛筆やクレヨン、画用紙(お絵かき帖など)も日ごろから用意しておきましょう。子どもが絵を描き始めたら近くにもってくることも大切です。

幼少時代の取り組み方でその後の絵心が決まる

子どもの絵心を育てるには、幼少時代に親がどのように接したかが大きく影響します。

ただし子どもの絵を描く能力は心身の発達段階と関係するため、本人にできること以上のことを要求しても、ストレスがたまってしまうでしょう。本人の発達段階に合わせた適切な声かけをし、環境を整えてあげることで、子どもは絵が好きになり、絵心を育てられます。

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