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小1プロブレムとは?問題行動や原因、対策方法を解説

小1プロブレムとは?

「集団行動が上手くとれない」「黙って長時間座っていなければならない授業に耐えられない」「学校という場所に馴染めない」などが原因で、正常に授業を進行できない状況になる「小1プロブレム」が近頃問題視されています。

ここでは、小1プロブレムの問題行動が起きる理由や、それによってもたらされる影響、全国の小学校ではどのようにして対策しているのかなどを紹介しています。小1プロブレムはだれにでも起こりうる問題ですので、家庭でも行える対策法もあわせて知っておきましょう。

小1プロブレムが生まれる理由、背景とは

小1プロブレムが生まれるのは、家庭のしつけが十分にできていないことや、まだ自分をコントロールする力が身についていないことなどが主な原因といわれています。小学校に入学した1年生が、これまで過ごしたのとまったく違う環境に置かれ、馴染めないことから小1プロブレムが起こるとも考えられていますが、実はこの問題は日本特有の現象だと指摘する人もいます。

日本では全員が同じ方向を向いて行う一斉授業という形態をとっていますが、欧米などでは、生徒個人またはグループに分かれて課題に取り組むスタイルで授業が行われます。就学前の保育園や幼稚園では欧米スタイルで育てられていた子どもたちも、小学校に入学した途端、一定時間黙って椅子に座らされるなど、いろいろなことに拘束されてしまうのです。

保育園にも入園する前には慣らし保育をするのが一般的であり、高校や大学を卒業して企業に就職したときでさえ、研究期間が設けられています。しかし、精神的にも肉体的にもまだ幼い小学1年生にはそれがなく、ストレスを上手く解消する方法も、発散する方法もわからないのです。小1プロブレムの背景には、こうした独特な日本の状況があると考えられています。

小1プロブレムの問題行動について考える

子どもにもいろいろな性格がありますが、とくに注意したいのが、気持ちのやさしい子どもです。小学校への入学時には、子どもも大きなストレスを感じるものです。

ストレスを溜め込まないで、お友だちや先生に表現したり、家庭でお母様・お父様などに発散できる子どもならよいのですが、表面的には物分りがよいとされている気持ちのやさしい子どもが、ある日突然学校に行かなくなったり、体調を壊してしまうケースがあります。「うちの子は大人しくて物分りがいいから心配はいらない」と、小1プロブレムを他人事だと考えてはいけません。

小1プロブレムの問題行動がもたらす影響とは?

小1プロブレムの影響と対策

保育園や幼稚園から小学校にあがり、学校生活に適応できなくなって小1プロブレムという問題行動を起こしてしまうと、今後の人生に悪影響を与えてしまう可能性も出てきます。

小1プロブレムが学力低下につながることも

学習に積み重ねが大切であることはだれでも認識していることで、勉強のスタートラインである小学1年生から、学級の授業に適応できなければ、その後の学力に影響が及ぶことは容易に想像できるでしょう。

わずかな遅れであれば、学習内容が簡単な分、取り戻すこともそれほど難しくありませんが、不登校になるなど長い期間問題を抱えてしまうと、学力の低下が懸念され、学ぶことの楽しさも質も低下していくことが考えられます。学習のスタートラインで正しい学び方を身につけることは、今後学年があがるにつれ、よい影響をもたらすといわれています。

小1プロムレムは性格の歪みを引き起こすこともある

小1プロブレムにより、集団生活のルールが守れない子どもは、どうしても大人から叱られる機会が増えてしまいます。それが小さな子どもの性格の歪みを引き起こす原因になり、自分が置かれた環境も、人格形成に大きな影響を及ぼすといわれています。

小学校では小1プロブレム対策をどうしている?

小1プロブレムは、保育園や幼稚園での幼児教育から小学校への移り変わりに起こる問題として、多くの教育者たちの間で議論を巻き起こしています。幼稚園ではなかった多くのルールが、小学校入学と同時に出てくることで、子どもたちに大きなストレスを与えることは明確です。小学校ではどのような対策がされているかをみていきましょう。

保育園・幼稚園・小学校の連携で小1プロブレムを解消

小1プロブレムは、子どもの将来に大きな影響を与えかねない大問題であるだけに、国をはじめとして教育の現場でもすでにいろいろな対策がとられています。その1つとして、幼児教育から小学校への教育へスムーズに移行できるよう、保育園、幼稚園、小学校が連携して対策を行っています。

具体的には、保育園や幼稚園で、小学校を意識した「アプローチカリキュラム」を用意して、机と椅子に無理なく長い時間座れる経験などを積ませています。

小学校では、「スタートプログラム」を用意して、授業時間を短くして授業をわけて行ったり、学級の人数を減らして、教師の目配りが行き届きやすくする配慮も行ったりしています。地方自治体によっては、手のかかる子どものケアをするために、1年生のクラスに補助教員を配置する対策もとっているところもあります。

だれにでも起こりえる小1プロブレム、家庭で行う対策方法は?

どのような子どもにも小1プロブレムが起きる可能性はあり、表面には出ていなくても、すべての子どもが小さな小1プロブレムを抱えています。自分の子どもは大丈夫と考えていると、突然大きな問題行動を起こしてしまうこともありますので、お父様・お母様は普段から意識的に対策しておくことをおすすめします。

小学校にあがったばかりの頃は、どんな子どもでも不安を抱えています。学校から帰ってきたら、今日起こった出来事について、やさしく聞いてあげましょう。子どもが理不尽な理由で先生に怒られたこと、お友だちにいじめられたことを伝えてきたときには、相手にクレームを入れることを考える前に、子どもに共感してあげることが重要です。その後で、どうしたらトラブルを解決できるか、一緒に考えてあげましょう。

毎日の生活リズムをきちんと整えてあげることも、小1プロブレムを大きくさせない大切な要素です。不規則な生活を送らせることは、精神衛生上よくないことがわかっています。

子どもの教育にきちんと関心をもつことが大事

近頃問題になっている小1プロブラムは、幼児教育から小学校へ移る変化の大きさによって起こると考えられます。すでに教育現場でも、子どもの将来を左右してしまう深刻な問題であることが認識され、いろいろな対策がとられていますが、ご家庭で無理なくできることもありますので、教育にしっかり関心をもって対策しましょう。

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