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子どもの思いやりを育てるには何が重要?共感力を高める方法を解説

共感力とは…思いやりの心である

子どもの共感力

共感力とは、相手を思いやる心のことです。具体的には次の3つの要素が含まれていますので、順番に確認していきましょう。

1.相手の気持ちを想像すること

相手の気持ちを想像することは、共感力の重要な要素のひとつです。相手の表情や行動から気持ちを想像することで、思いやりのある行動につながります。たとえば、悲しそうな顔をしているお友だちがいたら「どうしたのだろう?」「つらいことがあったのかな?」などと想像することで、声をかけたり話を聞いたりすることにつながるでしょう。

2.相手の気持ちは自分とは違うと知ること

とくに小さな子どもは、相手と自分の境界が曖昧で、相手の気持ちも自分と同じだと考えてしまいがちです。自分が悲しいから相手も悲しい、自分がうれしいから相手もうれしい、などと思うこともあるでしょう。しかし、実際は同じ出来事が起こっても感じ方は人それぞれ異なります。共感力をもつためには、自分と相手を切り離し、相手の気持ちを考えてみることが大切です。

3.さまざまな気持ちを知ること

人の感情には、よろこびや悲しみ、怒りや不安だけでなく、さまざまなものがあります。罪悪感や自尊心、失望なども挙げられるでしょう。子どもの感情の種類は年齢とともに増えてきいき、5歳頃になると大人と同じ感情をもつようになるという研究もあります。
自分の情緒が発達することで、相手の気持ちを想像する力も高まり、共感力も高まっていくのです。

[注1]
日本教材文化研究財団「思いやりのある子どもを育てる家庭力」
http://www.jfecr.or.jp/publication/pub-data/kiyou/h19_36/t1-5.html

共感力(思いやり)をもつことにどんなメリットが?

共感力や思いやりをもつことには、人間関係において多くのメリットがあります。ここでは5つのメリットを紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

1.信頼関係を構築しやすい

相手との信頼関係を構築しやすいことは、共感力をもつ大きなメリットです。共感力のある人は、相手の気持ちを想像することが得意なので、相手を怒らせたり不安にさせたりすることが少ないでしょう。また、自分の気持ちに共感してもらえることや、わからないながらも考えてくれていることで、多くの人は安心やうれしさを感じるでしょう。その結果、信頼してもらえることも多く、人間関係の構築につながります。

2.困っている人を助けてあげられる

共感力が低いと、泣いている人や怒っている人を見たとき、相手の気持ちがわからず知らないふりをしたり、避けたりしてしまう場合もあるでしょう。共感力をもっていれば、声をかけてなぐさめる、何があったのか話を聞いてみる、といった思いやりのある行動ができます。困っている人を助けてあげることで、子どもの頃であれば幼稚園や学校の友だちと、大人になってからは会社の同僚などとの信頼関係を深めていけるでしょう。

3.自分の気持ちにも共感してもらえる

相手の気持ちに共感したり、思いやりをもって接したりすることで、人間関係が深まるため、自分の気持ちにも共感してもらえるでしょう。自分が悲しいときに話を聞いてもらえる、困っているときに一緒に解決策を考えてくれる、などの行動も期待でき、人間関係もさらに深まっていきます。

4.相手と一緒に楽しめる

共感力が発揮されるのは、ネガティブな場面だけではありません。相手が楽しそうにしているときや、よろこんでいるときにも共感力は役立ちます。共感力が高ければ、よろこびを分かちあい、自分も楽しい気持ちになれるでしょう。一緒に同じ気持ちになることで、仲間意識も高まっていきます。

5.円滑なコミュニケーションにより人間関係が広がる

人間関係が広がることも、共感力をもつメリットのひとつです。相手の気持ちを考えず自分の意見ばかりを主張したり、自分勝手な行動ばかりをとったりすると、人間関係は築けません。共感力があれば、相手の気持ちを想像しながら行動や発言ができるので、コミュニケーションが円滑になり、関係性の構築につながります。

また、友だちや仲間同士の会話のなかで意見が食い違っているような場合にも、それぞれの気持ちを考えながら、歩み寄りをサポートできるでしょう。その結果、自分が信頼を獲得できるだけでなく、チームとしての人間関係も強化できます。

相手の気持ちを考えられる子にするには?

子どもの共感力

子どもの共感力を高めるためには、親のサポートも大切です。ここでは、相手の気持ちを考えられる子どもに育てるためのポイントをご紹介いたします。

1.相手の気持ちを想像することを促す

子どもの共感力を高めるためには、さまざまな場面で相手の気持ちを想像させることが大切です。たとえば、けんかをして友だちを泣かせてしまったときは、「友だちはどんな気持ちだったと思う?」などと質問してみるとよいでしょう。

同時に、「泣かせてしまったとき、どう感じた?」などと、子ども自身の気持ちを聞いてみることも大切です。質問されることで子どもが自分の気持ちに気づくケースもあるため、感情面の発達につながります。また、親が子どもに共感することで、子どもに相手の気持ちを考える余裕が生まれるでしょう。

2.物語の登場人物の気持ちを想像させる

絵本や児童文学などの物語に登場する人物の気持ちを想像させるのも、共感力を高めるよい方法です。一緒に本を読みながら、「友だちとけんかをしてしまったこの子はどんな気持ちかな?」「自分だったらどう思う?」と話し合ってみるとよいでしょう。

親の想像とは異なる回答が返ってくるケースもあるかもしれませんが、子どもの考えを否定するのは避けるべきです。「こんな気持ちもあるかもしれないね」などと、さまざまな可能性を示してコミュニケーションを深めましょう。また、親が子どもの意見に共感したり、考えを肯定したりすることで、子どもは共感されることのうれしさを覚えていきます。相手に共感することの大切さも少しずつ学んでいくでしょう。

3.子どもの気持ちを一緒に言語化する

子どもの気持ちを一緒に考え、言葉にすることも大切です。たとえば、泣いている子どもに対しては、「つらかったね」「悲しかったね」などと言葉にして伝えるとよいでしょう。感情を言語化することで、子どもは気持ちの整理がつきますし、気持ちと言葉が対応するようになります。その結果、感情について言葉でやり取りができるようになり、相手とお互いに共感しあうこともできるでしょう。

親自身が子どもに共感力を示してあげることも重要

子どもは親の行動や発言を見て育つため、子どもの共感力を高めるためには、親自身が共感力を示すことも重要です。子どもとの会話のなかで気持ちに共感することも大切ですが、親同士の会話のなかでも、自分の意見ばかりを主張するのは避けましょう。相手の考えや気持ちも考えながら発言することで、子どもは共感することの大切さを知り、行動を真似ていきます。

【まとめ】密なコミュニケーションで子どもの共感力を育もう

今回は、共感力をもつことのメリットや、子どもの共感力を育てるためのポイントについて解説いたしました。子どもが共感力や思いやりをもつことには、多くの人と信頼関係を構築できる、困っている人を助けてあげられる、というメリットがあります。円滑なコミュニケーションにより人間関係が広がり、よろこびを共有できる機会や楽しい場面も増えるでしょう。

子どもの共感力を高めるためには、相手の気持ちを想像させることや、気持ちを言語化することが大切です。親とのコミュニケーションを通して学ぶことも多いため、子どもの気持ちを考えながら、さまざまな話をしていきましょう。

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