【魔法の言葉】集中力をつける言葉
子どもの力を伸ばすには、決して難しいコツがいるわけではありません。ちょっとした言葉がけや接し方で子どもは大きく変わります。
今回は、集中力をつける言葉についてご紹介します。
「うちの子はちっとも集中力がなくて…」と、お母様から相談を受けることがよくあります。
でも、好きな絵本や遊びなど、興味のあるものには熱中していませんか? お子さんに集中力がないのではなく、大人数の中で雰囲気や様子を感じ取ることや、大人の「集中してほしい」と思うタイミングをつかむことに慣れていないだけなのです。
大人は集中力=持久力と思いがちですが、幼児の場合、受験でも長い間集中し続ける必要はありません。大切なのは、集中するタイミングをつかみ、短い時間でさっとできるスピードをつけること。
「今から○○をします」という教師の “位置について” の掛け声にどれだけ敏感に反応できるかが鍵だと言えるでしょう。
一方、反応はできても、集中している状態が続かない子どももいます。
本当はボールを10回以上つける技術があるのに、10回ついたらそこでやめてしまったりするのも、一つの例でしょう。
でもそれは、自分の限界以上にチャレンジする体験がなかったり、チャレンジしてもほめられた経験が少なかったりすることが原因かもしれません。
幼児教育は、ほめることが基本です。その時は結果の良し悪しではなく、がんばれたこと自体をほめてあげてください。
伸芽会では、「30秒でやってみよう」と取り組んだペーパー問題で、45秒かかったとしても、「間に合ったね。よくできたね」と声をかけます。
“できた” という経験で自信をつけることが大事だからです。ほめることで自信がつき、次には本当に30秒でできるようになるものです。
さらに一歩、集中して課題に取り組むためにの「魔法の言葉」はこれです。
「次のはもっと難しいけど…。まさかこれはできないよね?」
挑発するような言葉をかけても、子どもはそれを聞いて、「できるよ!」と自らチャレンジする気持ちになって、パッと集中するようになります。
このように “楽しい” “がんばりたい” と思わせる体験を重ね、自発的にがんばろうという気持ちを積み重ねていくことで、必要な集中力は自然と備わっていくはずです。
NGワード : 「もっと一生懸命やってよ」
お母さんにほめられたい! その一心で、子どもはいつだって一生懸命です。できなくても、「おしかったね」と励ましの一言を。
●監修
伸芽会教育研究所 主席研究員
佐藤眞理 先生
雙葉小学校、聖心女子学院初等科、白百合学園小学校などに多数の実績を誇るベテラン教師。