【魔法の言葉】自己肯定感を育てる言葉
名門小学校の入試の面接では、どのようなことがみられているのでしょうか。
たとえば日本女子大学附属豊明小学校や雙葉小学校では、「大きくなったら何になりたいか」、東洋英和女学院小学部では「あなたの宝物は何ですか」などが質問されました。これらを通して子どもが自分で感じたことや、思ったことを素直に表現し、しっかり言葉で伝える力が育っているかがわかります。
子どもがそういった力をつけるためには、小さい時の<自己肯定感>が不可欠です。情緒の安定や、自信をもつことのもとになる、心の発達において重要な自己肯定感は、どのように育めばよいのでしょうか。
小さい子にとって親は世界の全てです。
親が自分を認めてくれること、自分の存在を丸ごと受け入れてくれることが、とてくも大事なのです。親がどんなときでも味方だとわかると、子どもは自己肯定感をもつことができます。そのように子どもの心が安定する魔法の言葉はこれです。
「あなたが大好きよ!」
2歳から3歳は、<自分>について意識が目覚め、まわりの顔色を見ながら活動しはじめる時期です。「お母さんが好き」「ぞうさんが好き」「バナナが好き」など、何かが好きだということを口に出すようになります。また、できることが増え、やってはいけないと言われていることでもやってみたくなる時期でもあります。
たとえば、おもちゃをしまうとき箱に向かって放り投げたり、お友達のもっているものを黙って取ってしまったり、走ってはいけない場所で急に走りだしたり…。
自分のしていることに夢中になりながらも、子どもは親のほうをちらちらとみています。この場合、きちんとしつけをしなくてはという思いからつい「ダメ!」ときつい言葉をかけてしまいがち。でもそんなときこそ、ゆっくり落ち着いて魔法の言葉をかけてみてください。危険な行為はいさめたうえで、「あなたのことが大好きよ。大好きなあなたがそんなことをすると悲しい」と静かに伝えましょう。すると、子どもは大好きな人との信頼関係が崩れることをちゃんと察知し、聞き分けることができるようになります。
NGワード: 「何回言ったらわかるの!」
感情的なメッセージは大人が思う以上に幼い子どもの心にダメージを与えます。突き放した声色や表情もNG。恐怖心を感じさせないようにしましょう。
●監修
伸芽会教育研究所 主席研究員
佐藤 眞理 先生
雙葉小学校、聖心女子学院初等科、白百合学園小学校などに多数の実績を誇るベテラン教師。