赤ちゃんとのコミュニケーションを深める ベビーヨガ教室①
もともとベビーヨガは、赤ちゃんと母親とのふれあい、まだ言葉を理解しない赤ちゃんと母親とのコミュニケーションを高める目的に考案されたものです。私が行うベビーヨガは、日本の風土や、家族のあり方などを大切にした「日本古来の育児法」を取り入れ、日本の親子のために考えられたプログラムを基本にしています。
私はベビーヨガを通して、単にヨガのポーズをとって身体を動かすだけでなく、「お子さんときちんと向き合う気持ちを大切にすること」「発達において他の子と成長の差を比べるのではなく、日々変化するその子自身の成長を喜び、見守ること」「その子の良いところも悪いところも全て受け入れて、認めてあげること」「まずお母さんが自分自身を受け入れ、大切にしてあげることが必要なこと」といったこともお伝えできたらと考えています。
この連載では、私が普段ベビーヨガのレッスンで実際に行っている内容をご紹介したいと思います。
第一回は「いろんな抱っこ」の仕方。お母さんの体のゆがみをつくらないための基本的な抱っこ、赤ちゃんの便秘解消の抱っこ、災害時に役に立つ抱っこの3つです。この「いろんな抱っこ」は、赤ちゃんのボディセンスを高めるだけでなく、お母さんの体への負担を分散させ、守る効果があります。ぜひ実践してみてください。
◆基本の抱っこ
赤ちゃんを抱っこするときは、お母さんの骨盤の歪みを作らないよう、重心はどちらか片方の脚にのせずに、真ん中に落としていきます。赤ちゃんの抱きつく力を養うために脚は開いてお母さんの体に沿わせます。そのとき、お腹を前に突き出して赤ちゃんを支えてしまうと、腰痛の原因になりますので、下腹をしっかり引き上げ、横から見てもまっすぐになるよう立ちましょう。
◆まぁるく抱っこ
赤ちゃんの膝裏に手を入れ、まぁるく包み込むように抱っこします。お母さんはお腹と赤ちゃんの背中が離れないよう注意し、お歌を歌いながら、左右にゆらゆら揺らしたり、上下にトントンと振動を与えたりしましょう。赤ちゃんにはまぁるくうずくまった状態でお腹のなかにいたため、この抱っこにはとても安心感があります。赤ちゃんが深い前屈の体勢になるためお腹が刺激され、腸の動きがよくなり、便秘の解消にとても効果的です。
★赤ちゃんもご機嫌でいてくれることが多く、抱っこが苦手なお父さんなどにもお勧めです。
◆ファイヤーマンホールディング
赤ちゃんの肋骨まわりに手を回し、お母さんの腰のくびれに沿わせ赤ちゃんを抱き抱えます。赤ちゃんの体が前のめりになったり、横向きになったりしないようまっすぐ水平に抱きかかえるのがポイントです。赤ちゃんはスーパーマンのようにお空を飛んでいる気分になり、空間把握能力が高められます。また、肋骨まわりのみを支えられた状態で身体をまっすぐ水平に保つには、背筋(エネルギー)を使います。お外で遊べずエネルギーがあり余っているときなど、お部屋の中で行ってあげるといいですね。(※首が据わったお子さん以上が対象です。)
★火事や震災などの緊急時には、身体をかがめ、頭の前に手をかざせば、煙や落下物から頭を守ることができます。
お話し; 影山 純子(かげやま じゅんこ)
2010年内閣府認証NPO法人ローハスクラブ認定ベビーヨガインストラクター。ベビーヨガを通じ、身体が思うように動かせず悩んでいる多くの産後ママと接し、骨盤にフォーカスしたプログラムを習得(BYA認定骨盤調整ヨガ講師養成講座終了)。現在、都内を中心にイヘント、レッスンを行う。